「楽しい外遊び生活のために」連載第22回 浜ちゃん

 

これまでのあらすじ
 十勝でのアウトドアを愛してやまない、「浜ちゃん」を中心とする「虎の穴」の面 々。今回は木こりに挑戦。いつもは脳天気?なメンバーも、このときばかりは真剣そのもの。楽しいたき火をするために、危険な作業をこなしてくれます。(前回の連載はこちらです)


●チェーンソーは刃の切れ味が命

●実演開始です

●まずは水平

●次に斜めに

●受け口完成

●のこぎりで追口に挑戦

●かるーく押しただけで倒れるのだ

●枝を落とします。


●仙人のレクチャーを受けます


●水平にね

●やはり斜め切りは難しい

●にわか木こりの「たま氏」

●なかなか美しい切り口

●のこぎりで枝落とし



















「おまえはトラだ!トラになるんだ!!」
“虎の穴とは如何なる組織ぞ”――十勝のいたる所に巣食っている秘密?組織、外遊びに興味のある優れた素質の老若男女を日本中から集めて徹底的に遊ぶ。終了後は「大宴会」。大トラのように救いようのない、無敵の酔っぱらいを作り出す…誰いうとなく、「虎の穴!」。 今回の話題は「楽しい外遊び生活のために」。何をするにも準備が大事。得てして準備というものは、つまらぬものですが、そこを楽しくしてしまうのが虎の穴。さーてなんの準備なのでしょうか…。

 我々の外遊びの基本は「たき火」。「食いものがなくても、たき火さえあれば酒が飲める」と豪語するメンバーも多く、これがないと始まらないのである。
 たき火といえば薪。河原なら流木というもっともグレードの高い薪が手にはいるが、ここ旭山秘密基地には流木はなく、ストックしてある薪を大事に使っているのである。今シーズンもこの薪を使って風呂を沸かし、たき火の宴を繰り広げ、虎の穴の神髄「大トラのように救いようのない、無敵の酔っぱらいを生産する」という、正しい外遊び生活をしてきたのであります。
 使えば当然減る薪。満ち足りたたき火の宴のために薪の補充作戦を展開せねばなるまい。薪づくりといえば、鉈(なた)やまさかりで「薪割り」を想像しがちだが、今回はそれ以前の作業。木を切り倒し枝を払ってある程度の長さに切りそろえ、乾燥させるため積む。どうせやるなら楽しくしないと…。そこで、旭山秘密基地のある森の間伐をかねて、「木こり体験をしよう」というお題目にした。
 今回の講師は、薪づくりのベテラン旭山仙人である。
 旭山秘密基地の森は、2次林で植林からおよそ25年たっている。今まで、我々を楽しませてくれた薪は、ほとんどがこの森で仙人が間伐したものなのである。 
 今日も集まってきました虎の穴メンバー。「木を切り倒すのですかー、たのしそうですなー」「ガーッと切って、じゃんじゃん運び出して、どーんと積みましょう」「今日は寒いから熱燗で鍋がよいですなー」と、相変わらず脳天気なメンバー(汗)。木こり体験で汗を流していただきましょう。

●まさかりで切断に挑戦

 本日の講師である旭山仙人よりご挨拶「えー、本日はお日柄もよく…、うーん、木を切るのは危険な作業です。自分自身は、自分で守りましょーう」と、ありがたいお言葉に続いて、今回使う道具のメインである「チェーンソー」の講義が始まった。
 仙人曰く「えー人形は顔が命(汗)、チェーンソーは刃の切れ味が命です」。
 と、チェーンソーの刃を研ぎ始めた。刃が切れなければ仕事にならないばかりでなく危険であり、ガソリンも食い本体をいためることになる。
 刃の研ぎ方は…
「一番悪い刃から研ぎ始め、それが研ぎ上がるヤスリの回数を他の刃にも与える」
「ヤスリは先端から根元まで全体を使う」
「ヤスリは下に押さえるのではなく横に押し、最後に上に持ち上げる感じ」
「研ぎの角度は30〜35度」
「刃の部分に光る筋が見えたら、研ぎが必要と考える」
 いつもの酔っぱらい仙人の姿はそこになく、すっかり職人になっている。
 研ぎの講義が終わると、チェーンソー本体各部の説明と、使用上の注意を受ける。仙人は、話し終わると、メンバーを森の中へ案内した。
 酔っぱらい仙人から職人に変身した旭山仙人は、立ち止まりじっと木を見まわしている。なにやら話しかけづらい雰囲気なので、口調が変わってしまった。
  「何をしておられるのですか?」とたずねると、「木と話をしています」。おおっ、と、一同感心する。「なんの話をしておられるのですか?」「えーと、世間話…(汗)」。間伐する木を選んでいるのでありました。
 基準は、なんですか?とたずねると、「じっと見ていると見えてきます」。
 森は手を入れないと、どんどん荒れていきます。混んだ状態で木が成長してしまうことからモヤシ状になり、風雪害で折れたり、病虫害で枯れたりすることがある。これを防ぐため間伐をするのであります。
 木が決まると、切り方の講義が始まった。
 仙人曰く「これからの行程は、非常に危険です。切り倒そうとしている木に背を向けないように。自分の安全は、自分で確保するように」。一同いつになく神妙に注意を聞いている。
 まずは、倒す方向。木の重心を見て周りの木にもたれかからない安全な空間を見つけ、倒す方向を決める。
 いよいよ木の伐り方。伐採は受け口の作り方が重要である。受け口とは、切り倒す方向に入れる切れ目のこと。この受けの方向をきちんと作ることが最大のポイントなのである。まずは水平に切り、口を直径の1/3ほど入れる。次に水平の切り口の両サイドの2点を正確に結ぶように斜に刃を入れる。切っている最中に向こう側が見えないので、これが一番難しいのだが、何度も練習してコツを覚えるしかない。

●腕ではなく腰を使って!

 さすが、経験豊富な仙人、この作業を難なくこなしてしまう。これで8割方終了である。次は追口。これは受け口の反対側から切り込みを入れる作業。ここでは、完全に切ってしまうのではなく、受け口との間に余裕を残す。
 追口はまず手前に、受け口のぎりぎりまで切っていき、扇型に回して向こう方向を切っていく。追口を入れ終わってもまだ木は倒れない。仙人がメンバーに声をかける。「みなさーん倒れますので、離れてくださーーい」、全員退避を確認、軽ーく木を押すと…、お見事、予定の方向へ木が倒れていきました。パチパチ。一同拍手。

●作業完了

 この後、仙人の指導のもと、メンバ一同は、にわか木こりと化し、間伐作業に励んだのであります。
 倒した木の枝を落として、丸太にきり、日当たりの良いところへ運び出し積み上げる。これで本日の作業が終了。これでまた、安心して、正しいたき火生活が送れるのであります。 
 その後、どうしたかって? もちろんこの日も大量の大トラを生産したのであります。アハハハ…。


よく切れました。水平にね
外遊び便利道具
「のこぎり」
 100円ショップで見つけた、便利道具のご紹介。今月は「のこぎり」。
 大工道具は、ひとそろえ売っているんですねー。枝打ち用に購入。
 切れ味は、というとこれがなかなかの物。  100円ショップ侮れません。

 

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