「カヌーづくりに挑戦5」連載第17回 浜ちゃん

 

これまでのあらすじ
  十勝でのアウトドアを愛してやまない、「浜ちゃん」を中心とする「虎の穴」の面 々。「1万円ぽっちでカヌーを作るぞ!」と今月もカヌー作り続行中。いったい完成はいつ?との声もちらほら聞こえ出したある日、いよいよ組み立てを開始。しかし「問題は先送り」の姿勢に、やっぱり「問題」発生かー?(前回の連載はこちらです)


●これが船体パーツ(片側)

●仮組みしてみると隙間…

●綿テープとボンドで接着。

●借りたくないときも、ネコの手が…

●FRP

●乾かす。

●すぐに乾かす。

●FRPを仕上げます。

●隙間だらけの船底。

●「最初が肝心」と、反省。

●パテ埋め中。

●暗くなっても終わらない。

●出来ました。




 「おまえはトラだ!トラになるんだ!!」
“虎の穴とは如何なる組織ぞ”――十勝のいたる所に巣食っている秘密?組織、外遊びに興味のある優れた素質の老若男女を日本中から集めて徹底的に遊ぶ。終了後は、「大宴会」。大トラのように救いようのない、無敵の酔っぱらいを作り出す…誰いうとなく、「虎の穴!」。今回の話題もカヌーづくりに挑戦」。地味な作業を終了し、組み立て作業に入ったメンバーですが、部品に異変が…。
 暑い日が続いていますねー。まだ6月だというのに、気分はもうすっかり夏になっていますが、カヌーを作っていたのは、真冬。話がかなりずれていますが、そのつもりでお読みください。アハハ…。
 前回までで、部品の「切り・貼り・仕上げ」を無理矢理終了し3枚のベニヤ板から4.4mの船体パーツを6枚作り出した。今日からは「組み立て作業」。
 まずは、「船底部分その1」船底になる部分を接合します。キールラインを作るため若干の角度を付けて、手芸用の綿テープと、ボンド・荷造りバンドを使い接着。このキールラインが船の性格を決める大事な部分なのであります。キールラインとは「船の底に付ける線」。今回は角度になりますがこのラインが直進性」を決めるのです。きつすぎると「回転性」が悪くなり、緩すぎると「直進性」を失います。また、直線でないと、真っ直ぐ進まない可能性もあります。
 「まっ、今回は計算された設計図を元に作っているのだから大丈夫〜〜」
 などと、メンバー一同何の心配もなく、仮組みをしてみると…うっうまく合いませんねー」「なぜ???」「隙間が…」。よく考えれば、当然の結果 だったのであります。部品作成の時(5月号を読んでね)に出ていた誤差がここで問題を起こし、隙間&歪みが発生!! どうするか検討の結果 …。

●この反りが難関です。


 「とりあえず組み立てて、そのあと考えましょう」ということに。このメンバー「何事も先送りできる問題は後で考える」というルールが完成しつつあります。
 誤差には目をつぶり接着開始。荷造りバンドでキールラインを作り、接着面 にボンドを付けて乾燥、その上から綿テープを貼り付けていくのですが、この時期の寒さで、ポンドの伸びが悪く結構苦戦するも、何とか船底接着終了。
 今度は、「船底部分その2」。喫水線までの部分を接着します。組み立ての中では、一番の難所。船首と船尾をかなりカーブさせて接着しなければならず、いかに板の反発を抑え、接着するかがポイントになりました。
  協議の結果…。
 「何とかなるでしょう」で終わってしまい、そして接着開始。反発を抑えられそうなモノを総動員して、無理矢理接着終了。続いて、最後のパーツ喫水線から上の部分を接着し、全体の強度を出すための仕切を入れる。ここまで来ると、やっと「カヌーらしく」なってくる…かと思いきや、「うーむ、カヌーというよりは、箱船のようですなー」「ノアは、誰がやりましょう?」「どのような動物を乗せましょうか」など、話は、脱線していくのであります。 アハハ…。

●箱船みたいですね。

 何とか形になった箱船は、さらに強度を上げるため設計図にはないFRP加工へと進んでいきます。船の繋ぎ目、綿テープを貼ってある部分の上からFRPを貼って強度を上げようという作戦。しかし、気温の低いこの時期、あまりFRPの作業にむいていません。FRPは、寒いと硬化が遅く硬化剤の分量 が多くなり不経済、かといって、ゆっくり待っている時間ももったいない。「これで暖めてあげれば早く乾くでしょう」と、出てきたのが投光器とドライヤー」。さすがポテチさん、ドラえもんのポケットのように何でも出てきます。
 とりあえず船の内側の補強作業開始。まずはガラス繊維の薄布を5センチ幅に切っていきます。接着剤と、硬化剤を混ぜ布に浸し貼っていきます。そこにすかさずドライヤー&投光器。多少の浮きはあるものの寒さにも負けず、何とか第1次FRP作業終了。
 ヤスリがけをして、内側を仕上げ、強度の増した船体、接着作業以来見ていなかった船の外側を仕上げるため、裏返しにしてみると、全員絶句…。「すっすきまが…」「このままでは、泥船状態ですな」。船幅はもとより、船首・船尾は、予想をはるかに超える隙間。うーむ、この難関を切り抜けるには…と、またまた作戦会議。
 結果「端材で埋めつつ、少々高価ですが、木工パテを使用します」ということになり、作業開始。どんどん、作業が増えて行くのであります。「物事、最初が肝心ですなー」「あの時しっかり仕上げておけば…」などなど全員で「問題先送りを反省」しつつ「穴埋め」をしたのでありました。
 穴埋め、外側のFRP作業も終了し、今度は、「ガンネル」の取り付け。
 「ガンネル」とは「船の縁」のことで、設計図によると「あまったベニヤ板を重ね合わせて接着しなさい」と書いてありますが、どうせなら…と、角材を曲げて取り付けることに決定。ラワンの角材を使い作り始める。大きくカーブする所には、切り込みを入れて、接着剤と、木ねじで固定してゆく。「ラワン角材、意外に曲がるモノですねー」などと調子よく作業を進めていると、
 突然「ボキッ!!」、「あっ…」折れた。 アハハ…。

●「折れた…」。

 「材によって、乾燥具合が違いますから気を付けましょう」と言いつつ「ボキッ!!」…。結局、4本程折ってしまい、作業は、暗くなるまで続いたのであります。
 次回は、塗装から進水式までです。お楽しみに。


結構粘着力があります。
外遊び便利道具
「ガムテープ」
 「何かに使うでしょう」と、かごに入れたガムテープ。見事に役に立ちました。
 「100円だから粘着力が…」と疑っていましたが、これが結構持ちました。船体の接着に大活躍!! 100円ショップは、侮れません。

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