「虎の穴、穴を選ぶべし」連載第25回 浜ちゃん

 

これまでのあらすじ
 十勝でのアウトドアを愛してやまない、「浜ちゃん」を中心とする「虎の穴」の面 々。今回はこの時期の外遊びの定番でもある「ワカサギ釣り」。大釣果を期待して向かうはホロカヤントー。さて、どうなることやら?(前回の連載はこちらです)


●うす曇りの中、朝日に包まれる湖。

●先に降った雪で、湖面はがたがた。乗用車ではきついかも。

●まずは穴開け。

●何はともあれ、宴会準備?

●本日はじめてのまゆみ嬢。えさの赤さしに、「わー、きゃー」の連発。

●爆釣、エリザベスともみ(左)

●又三郎氏、ゲット!

●釣果大小いろいろ


●しだいに密集して…


●揚げまーす。

●おいしく揚がりました

●なんとラムチョップまで。

●揚げたてはうまいぞー。群がる「箸軍団」。

●釣れた獲物の中には、幼児も?

●特製プリンを手に、釣る又三郎氏。んーうまい。
 
「おまえはトラだ!トラになるんだ!!」
“虎の穴とは如何なる組織ぞ”――十勝のいたる所に巣食っている秘密?組織、外遊びに興味のある優れた素質の老若男女を日本中から集めて徹底的に遊ぶ。終了後は「大宴会」。大トラのように救いようのない、無敵の酔っぱらいを作り出す…誰いうとなく、「虎の穴!」。
 今回の話題は「虎の穴、穴を選ぶべし」。ワカサギ釣り初心者と準初心者を迎え、厳しい釣り修行が始まる。果たして釣果はいかにっ?

 まずは、当日から数えて2週間前の模様を…。
 「今日はワカサギ釣り初心者である、又三郎氏にぜひ、釣ってもらいたいですなー」「いやいや、ビギナーズラックということもありますから、心配御無用」
 いさんで氷に穴をあけ、待つこと1時間、2時間、3時間…エリザベスともみの爆釣ぶりを横目で見ながら、見事ぼうずに終わったのであった。
 
 そして2週間後、今回の使命は「敗者復活戦」。又三郎氏だけでなく、前回は、エリザベスともみの「1人勝ち」だったので、「今度こそ」と気合い十分。まだ日が昇る前に起き出した面々。眠い目をこすりつつ、大樹町ホロカヤントーに向かった。今日こそは釣るぞー。
 とはいえ、m宅で生後1ヵ月の子犬などと遊んでいたため、到着は7時半。急がなければ、ワカサギくんたちの朝ごはんタイムが終わってしまう。
 気温低しの天気予報に反して、風もなく曇り、気温も安定した釣り日和。「全員、配置につけ」とばかりに、ガリガリと穴を開け始める。が、そこは虎の穴。なぜか、宴会テーブルから設定し始める面々も…(汗)。「今日は運転手以外の方へ、ふらのワイン進呈〜」「釣れたての天ぷら、楽しみですね〜〜」。釣れなければ天ぷらも食べられないことなど棚に上げているのであった。

 本日初心者のまゆみ嬢。「赤さし」を前にさっそく「わー、きゃー、動いてる〜」の連発。なかなか餌をつけられない。「虎の穴は修行の場なり。若い娘にも厳しいのである」と、誰も手を貸さない。ひたすら自分の釣りに熱中する、非情なまでの外遊びぶりである。その後、餌つけかえのときの会話、「つけられる?」「うん、凍って動かないし、もう慣れた」。聞けば酒にも強いとのこと。虎の穴の素質は十分にあるとお見受けいたした。

 糸をたれてから、数分。「来た、来た!」。筆者の竿に初ヒット…しかし、「幼児虐待!」そんな声も上がるほど小さい。4-5センチほどの大きさである。ワカサギが回遊してきて、あちこちから「来た!」「釣れた!」。そして同時に「幼児虐待だ〜」の声もちらほら。時折、10センチクラスの「大物」も釣れ、なかなかの好調ぶり。一度言ってみたかった。「釣り散らかしてごめんね〜」。

 そして遅ればせながら、準初心者又三郎氏にもヒット! 一度ヒットすると、今まで馬鹿にされてたのか?と思われるほど、順調に釣れてゆく。心なしか、釣る姿も様になってきたようである。
 午前10時、集会所が一段落ついた後も、エリザベスともみだけが、またしても絶好調。「ワカサギを呼び寄せるフェロモンでもあるんじゃないでしょうか」「穴が違うんでしょうかねー」「やっぱりワカサギは穴、ですよねー」
 「虎の穴さがし」とばかりに、メンバーはもくもくと、エリザベスともみのまわりに穴をぼこぼこ開けてゆく。「この辺ですかねー」「この中間あたりもおひとつ」。ひろ〜い湖だというのに、身を寄せあって、なぜかせせこましく密集する虎の穴軍団。

 初心者まゆみ嬢もエリザベスともみのフェロモンの恩恵を受けたのか、はたまた天性のフェロモンか、3匹鈴なり状態で、一時は「竿ごと水中に吸い込まれそうになる事件」も起きた。危ない、危ない。
 「湖のワカサギ、全部釣っちゃったかしら」と豪語するエリザベスともみ。一段落した竿を置き、エリザベス風ランチの用意をし始めた。今日のメニューは「水餃子」と「ラムチョップ」。
 筆者もおもむろに釣果を集め始め、粉につけてゆく。「幼児虐待」を含め、ざっと60尾くらいいるだろうか。粉の中で暴れる活き作りも(ってゆうのかな?)。いざ、油へ。

 今回は外遊びグッズを携えた大樹仙人と又三郎氏の強力メンバーにより、コンロから鍋から装備充実!「天ぷら、よおい!」「隊長、温度が上がりません」「コンロ、パワーアップ!」「了解!」しゃこしゃこしゃこ…。「ガス充填!」「了解!」しゅー…。
 最初は「ワカサギ油和え」でしたが、なんとか「天ぷら」にまで昇格。揚がったそばから、箸をはなさないスタンバイ状態で「美少女箸軍団」が襲来、あっという間にたいらげる。虎の穴に初参加で、今回釣果にあまり恵まれないあき嬢も「おいし〜、来てよかった〜!」。
 外遊びとうまいものに目がない、虎の穴式ランチにご満悦のようである。
 大樹仙人が「あまり釣れなかったときに買って食べた、スーパーのとは全然違うねー」とぽつり。その日は釣果を期待し「ワカサギパーティー」が設定されていたらしい。仙人にも涙ぐましい過去が隠されているのである。

 「今日は、スーパーに行かなくても、みんな食べられてよかったですねー」「油でも泳ごうとするほど、活きがいいですねー」「人間とは、いやはやなんと残酷な生き物であることよ」「まったく、でもうまいですなあ」
 自然の厳しさ?と恩恵に感謝しつつ、むさぼるように、ワカサギをたいらげるのであった。

 その頃にはエリザベスともみ特製の「水餃子」と「ラムチョップ」が完成。「いっただっきま〜す」「ラムチョップ、これは、いけますなー」「水餃子のスープ、冷えた体にしみわたりますなあ」。
 「ところでこの茶わん蒸しみたいなのは、何でしょう?」。エリザベスともみいわく、「それは、誕生日が近かった又三郎氏へのプリンですっ」「でっかいなー」。そうです。シチュー皿くらいはある、特製でかでかプリンは又三郎氏へ。小さいプリンはみんなで分けて、食後のデザートとなりました。ごちそうさまっ。

 昼食後、やはり、食べたら眠い。まったりと静かな時間が流れてゆきます。静かなはずなのに、大樹仙人がいる方向から、ゴチッという音が。居眠り大樹仙人、リール付きの竿を落としました。「わっはっは、朝早いし、おなかいっぱい食べたし、やはり、眠いですよねー」。うんうんと頷く大樹仙人…ほどなく、ゴーゴーと軽い寝息?が聞こえてきます。
「そろそろ引き上げますか」「ころ合いですなー」「じゃ、一人1匹釣ったら上がり、ということで」
 まだまだ帰れない虎の穴であった。

 

●わ〜い、水餃子!

●氷削機。ごりごりと垂直に氷を削り出してくれる優れもの。これの刃がきかないと、とんでもない重労働になることを虎の穴の面々は知っている(実は前回、大変な目に遭っている)。だいたい7000円くらい。ワカサギ釣りの前に、まず刃が生きているかどうか、チェックしよう!

 


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