黒潮に運ばれる海の幸をユリムン(寄り物)と呼び、昔は椰子の実や流木、鯨など生活に役立つものが多かったが、現在では海岸や海洋汚染の元となるゴミ類が主である。
貝や魚をとる磯道具(イショドグ)としては、トウギャ(魚突き槍)、ガギ(イセエビ鈎)、ウギュン(タコ漁手鈎)、スレンシキ(キビナゴを捕る道具)、ビズル箱(箱眼鏡)が展示されている。
有害な生物としてラッパウニ、ハブクラゲやアンボイナ、カバミナシガイなどの貝、アイゴ、セムシカサゴ、ハナミノカサゴなどの有毒魚がいる。カバミナシガイは5mmから2cm位の毒のある歯舌を内臓に有している。
大浜海岸では5月から6月にかけて、アオウミガメとアカウミガメの産卵が見られる。昨年は29匹観察され、一匹当り百個近い卵を産んでいる。また普通はマレーシアやインドネシア、メキシコでしか卵を産まないオサガメが、日本で初めてこの海岸で昨年の6月に産卵している。
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入口の大水槽には海亀や海老、各種の熱帯魚の姿が愉しめる。二階の体験槽ではマンジュウヒトデ、カワテブクロ、アオヒトデ、クロナマコ、シカクナマコ、バイカナマコを手で触って確かめることができる。
収集した貝も多くあり、昔お金に用いられた宝貝では、採集例の少ないオトメダカラやニッポンダカラ、テラマチダカラなどが展示されている。貝類の中で貴重なものはオキナエビスである。5億年から2億年前に繁栄した貝で、今では生きている化石とされ採集例が少ない。コシダカエビスや、大きさが20cmにもなるリュウグウオキナエビスは、収集家の間で100万〜300万円の価値があるとされている。
透明な体をもつ5cm程のソリハシコモンエビ、ベンテンコモンエビ、ミカヅキコモンエビの姿は、水槽の中で飾り物のように可愛い。 |