ユーゴスラビアはスラブ語で「南のスラブ人の国」を意味しており、チトー大統領の時代は7つの民族が1つの国を作り、その中に6つの共和国が存在していた。その後、各民族の独立によって国家の分裂が生じ、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニアと新ユーゴスラビアの5カ国となった。新ユーゴスラビアは今でもコソボ地方の内戦が激しく、ヴォイヴォイジナやモンテネグロも分離独立の動きもあり、さらに国家が分裂する危機を抱えている。
旧ユーゴスラビアでは、ローマアルファベット(ラテン文字)とキリル文字の二種が用いられており、宗教はカトリック、ギリシャ正教とイスラム教の三種であった。
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人種はセルビア人、クロアチア人、スロベニア人、マケドニア人、モンテネグロ人の他、ハンガリー、トルコ、スロヴァキア、ブルガリア及びルーマニア人がいた。言語はセルボ・クロアチア語とスロベニア語とマケドニア語が主なものであった。
セルビア人とクロアチア人がユーゴの主要人種であったが、セルビア人はギリシャ正教を信じてキリル文字を用い、クロアチア人はカトリックでラテン文字を用いている。クロアチア人の方が文化的にも、経済的にも優位にあり、政治的に権力を持つセルビア人への反発が根強かった。
共和国間の民族対立が高まって国家の分裂が始まり、次々と各共和国が独立した。現在の新ユーゴスラビアはセルビアとモンテネグロ共和国から成り、それにコソボ自治州を含んでいる。
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