自然のなかでゆったり過ごせるユースホステル
連載第27回

●ときどき、楽しいうれしいイベントを企画。9月21日と10月12日はソフトドリンク、ビ−ルがサ−ビスの日。さらに9月14〜16日、21〜23日の連休は紅葉真っ盛りなので焼き芋企画も。
  9月22日、10月13日は紅葉ツア−の予定で、10月中には防風林黄葉発見ツア−などあり。



●康宏さん手作りのシングルベッドのある部屋。二段ベッドは拓成に工房を構える楓舎の本山さん製作(楓舎のホームページは http://www.fuusha.com/)。6室14名宿泊OK。全館禁煙。チェックイン15:00、チェックアウト10:00。帯広空港から送迎あり。バスで来た人もバス停からの送迎可能。要電話連絡。

 
●共用のリビングスペース。周囲にはユースホステルのパンフレットや道内の観光案内のほか、康宏さんの趣味のアウトドア関連本がいっぱい置いてある。

 
●アウトドアのよきパートナー「グリちゃん」。散歩で走り回ったあとなので、ややお疲れ。

 
●代表の山本和美さん。「来年は自家畑も始めたい」。

山本 和美さん
帯広八千代ユースホステル 代表


やまもと かずみ 1963年大阪府出身。高校卒業後、会社勤務や父親の手伝いなどをするうちに、旅好きの康宏さんと出会う。結婚後3年は大阪で暮らし、いずれは旅をして気に入った帯広市へ行きたいとの思いを膨らませる。93年に帯広市中心部へ。康宏さんは会社勤めを始めるが、その後八千代地区の広野市街地に移り、離農した家に住む。旅先でお世話になった経験から「ユースホステルを始めよう」と、和美さんを代表とした「帯広八千代ユースホステル」を2001年夏にオープンした。ご夫婦と7歳、5歳になる娘さん、ゴールデンレトリバーの「グリちゃん」と暮らす。

●帯広八千代ユースホステル 
 帯広市八千代町基線163 
 TEL&FAX 0155-60-2353
 http://www2.odn.ne.jp/~yachiyo/
 ※11月5日頃〜11月末休館予定
 メ−ルでの宿泊予約受付OK



 旅で立ち寄り気に入った八千代地区。旅好きな夫婦が「以前、旅先で親切にしてもらったので、お返しをしたい」と始めた心づくしのユースホステルだ。和美さんを中心に、ヘルパーさんやケガをしてまだリハビリ中の康宏さんがもてなしてくれる。「特別 なことはしていません」というが、この時期、紅葉ツアー、星空ツアーなど自然を生かした素朴なイベントも好評だ。立ち上げや運営内容、今後のことについて和美さんにうかがった。

八千代で暮らしたい

 夫の康宏さんは日本はもちろん海外へも旅行し、「旅をするために働く」というほどの大の旅好き。帯広の八千代地区が気に入り、毎夏通 い詰めており、この地域にいつかは移り住みたいと思っていたそうだ。妻の和美さんも何度かこの地を訪れ、意気投合して、移住。「ゆくゆくは八千代地区で宿を開きたい」と考えるようになった。

帯広唯一のYH誕生

 もう何年も帯広にユースホステルがなかったこともあり、開くにあたって和美さんは池田町にある「北のコタンユースホステル」で運営の段取りなどを修業。またあちこちで食べ歩き、盛りつけや料理の相性などの勉強に励んだ。「失敗を恐れない大胆なところがあるんです」と、はにかむ和美さん。何事にも前向きに挑戦していくバイタリティーが、宿の運営に向いているのかもしれない。宿の名前にはお世話になった地元の人への感謝を込めて、「八千代」の名を入れた。こうして、帯広唯一の「帯広八千代ユースホステル」が誕生した。
 
ここを拠点に遊ぶ

 ユースホステルの料金体系は会員素泊まり3200円、非会員4200円と一律。朝食は500円、夕食は1000円でセットされる。「自然の中に建っているので、うちに来てのんびり過ごしてもらえれば」と和美さん。ここを拠点に、周辺に点在する八千代牧場、紫竹ガ−デン、中札内美術村、花畑牧場などの観光ポイントへ遊びに行ける。また、自転車を使ってのんびり一日かけて自然散策をするのもいい。都会では味わえないゆったりとした時間が堪能できる。
 
地元の素材を使った料理

 食材にはなるべく旬の地元のものを使用。八千代の草薙農場の地鶏卵、「元気なトマトの会 チャオ」生産の朝どりイタリアントマトやズッキーニ、バジル他、地元の無人市場で買い求める新鮮野菜をたっぷり使う。十勝の食材を存分に楽しめそうだ。

リピーターも

 ユースホステルを運営して、今年の7月6日で丸1年が経った。すでにリピーターが訪れている。大阪弁の康宏さんのおしゃべりも巧妙で、アウトドアに通じているため、多彩な会話がはずむ。「いろんな人との会話が楽しい」と和美さん。「まだ2年目。また来たいと思ってくれればうれしいですね」。力まず、無理なく、一日一日の歩みを楽しんでいるように見えた。


 

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